米国株が人気なのはどうして?
どうして米国は経済大国と呼ばれているの?
おすすめの商品は?
【つみたてNISA】などの投資信託で、常にランキング上位の米国株式。
今回は、米国株式がなぜ人気なのか、なぜ世界経済のトップを走り続けているのか、を解説していきます!
米国は右肩上がりの成長を続けている
上図は過去30年間の米国、英国、日本のチャートです。
米国株式は他の国に比べ成長が著しく、基本的に右肩上がりを続けています。(日本は未だにバブルの株価に戻っていない)
このように、米国が世界の経済をリードしているため、近年では日本株や、欧州株、全世界株を買うよりも「米国株」だけに絞ったほうがパフォーマンスが良いため、米国株の人気が高まっています。
米国の経済が世界一な理由
- 世界の株式市場の50%以上が集中している
- 先進国には珍しい人口増加国
- 世界最大の消費国
- 株を重視する国民性
- 政治的な不安が少ない
- イノベーションが生まれやすい
このような背景により、S&P500(米国のインデックス指数)の30年リターンは10倍を超えています。
仮に、100万円をほったらかしておけば、30年後には約2000万円にもなります!
世界の株式市場の50%以上が集中している
米国企業は世界の時価総額の50%以上を占めており、国別の時価総額ランキングでは2位の中国を大きく引き離して、米国がダントツの1位ということがわかります。
また、時価総額の企業ランキングトップ10のうち、7社が米国企業となり、トップ50の中でも約7割を米国企業が占めています。
これらの企業は米国国内だけでなく、世界全体を相手にするグローバルな商売をしています。
米国に投資するということは、グローバルな成長を続けるトップ企業に投資をするということです。
そういった意味では、「米国を買っている」というより、「世界を買っている」と捉えても良いかもしれません。
先進国には珍しい人口増加国
G7(アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の中で、今後も人口増加が見込まれているのは米国のみです。
2020年の米国の人口は、3億3100万人ですが、2050年には3億8800万人にまで増加する見込みとなっています。
米国は毎年100万人ほど移民の受け入れをしており、人口が増加することが予想されています。
人口が増えれば消費が増え、経済が活性化します。若い労働力も確保できるので、国の成長に繋がるということです。
米国では、日本や他の先進国のような、少子高齢化といった経済成長を支えるには苦しい増加ではなく、若くて労働力がある人口が多い「つりがね型」となっています。
下図は米国と日本の2060年の推移予測です。
- 左側:人口ピラミッドグラフ
- 右側:人口推移グラフ
世界最大の消費大国
アメリカ人は消費が多い国民性のため、消費によって経済が潤い、米国企業の業績も、今後さらに右肩上がりで伸びていくことが予想されています。
反対に、日本は質素倹約な国民性のため、市場に資金が回らず、そういった観点からもなかなか期待が持てないといえます。
株価を重視する国民性
米国は株式資本主義国家ですので、政治家も経営者も株価を上げて株主に報いることを重視します。
株価を上げて、投資家の消費が増えれば経済は回ります。
前述の通り消費の多い国民性のため、株価を上げれば上げるほど消費が増えて、企業業績は良くなり、税収も増え、国全体として経済力が強くなっていきます。
株価に重点を置く国だからこそ、米国に株式投資をすれば上昇を期待できるということです。
日本とは違い、米国は投資が「あたりまえ」の国です。米国国民の平均的な資産配分は、
- 現金…13.1%(日本人は52.5%)
- 株・投資信託…48%(日本人は14.9%)
となっており、株式の上昇は国民の幸せに直結しています。
政治的な不安が少ない
政治と経済は強い繋がりがあります。
政治が不安定な国の株価は、その分不安定になりやすいと言えます。
米国は民主党、共和党の2大政権の中で大統領が任期4年で選出されるため、比較的政情が安定しています。
政治の方向性が定まらないと、外国からも投資資金が集まりにくいため、日本でも総理大臣がころころ代わっていた頃は株価は低迷していきました。
また、成長の期待のある新興国も、政治的には不安定な国が多く、株価の上下が激しいです。
イノベーションが生まれやすい
世界の大学ランキングではトップ10のうち7校が米国の大学でした。(日本の最高位は東京大学の36位)
世界中の優秀な人材が米国に集まり、米国で学び、米国で人脈を作り、最先端のテクノロジーを利用してビジネスを起こしていきます。
これほど研究のレベルが高く、新しいビジネスを起こしている国は他にはありません。
また、失敗を恐れず、新しいことにチャレンジする文化ですので、そういった意味でもイノベーションが起きやすいと言えます。
ノーベル賞の国別受賞者ランキングをみても、
- 1位 アメリカ 339人
- 2位 イギリス 110人
- 3位 ドイツ 82人
と、アメリカ人がダントツに多いことがわかります。イノベーション、研究の高さが伺えます。
世界をリードするGAFAMも米国企業
世界を変えるイノベーションの多くはいつも米国発です。
その代表とも言えるGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)など、人類の暮らしを変えるサービスを提供してくれる企業は米国から誕生しています。
そして、これから先も新たなサービスは米国から生み出される事が予想されています。
米国株式投資のリスクとは
外国に投資をする場合、国内への投資とは違ったリスクが発生します。
これは米国に限らず、日本以外の全ての国に共通したリスクとなります。
カントリーリスク
その国で起きた政治や経済の情勢、天災などにより、企業の業績が悪化して売買が制限されること。(米国では現在、米中貿易摩擦、イランとの対立激化などが不安視されています)
米国のみに集中投資するとなると、米国の政治的・社会的な要素をモロに受けることになります。
一方、全世界株式(eMAXIS Slim 全世界株式など)であれば、世界中にまんべんなく投資をしているため、一国のみに対するリスクを抑えることができますので(時価総額の大きい米国が半分を占めていますが…)、ご自身のリスク許容度に合わせて選択しましょう。
為替リスク
日本円と、外貨の為替の変動によっては、「投資の運用ではプラスなのに、為替の影響でマイナスになる」といったことも考えられます。外国への投資は、為替を考慮する必要があります。
下記のように「円換算ベース」や「円建て」と書いてある指標は為替が考慮された価格で表示されています。
為替リスクを逆手にとることも可能
為替による不安要素は「日本の経済が順調に回っている前提」で起こります。
逆に、外国から見て「日本は衰退している」と判断されてしまった場合、現金で保有している「日本円の資産価値が相対的に低くなってしまう」ということです。
現在、日本を取り巻く環境としては、少子高齢化・労働力の低下・赤字の拡大、など決して良い状況とは言えません。
米国株を通じて外貨資産を購入しておけば、このように日本が衰退してしまった場合、逆に価値が上がるということになります。(日本円を米ドル資産に替えているため)
多くの日本人は資産のほとんどを日本円で保有しています。
これはある意味、「日本円にのみ投資をしている」とも考えられます。
資産の中で日本円の割合はすでに充分にあるはずなので、「通貨を分散する」意味合いで、外国に投資をするのはリスクヘッジになるとも考えられます。
米国にも低迷期があった
現在は絶好調の米国株にも、低迷期はありました。
2000年頃から2013年頃まで、ITバブル、不動産バブル、リーマンショックなど、経済が非常に不安定な時期でした。
リーマンショックでは、なんと6割程度にまで資産価値が減ってしまい、ピーク時に戻すまでは約6年もかかりました。
S&P500のチャートをみても、上下に激しく動き、2013年になるまで、2000年の高値を更新できていないことがわかります。
その頃は「資本主義は終わった、経済は終わった、積立投資は終わった」などの悲観的なニュースがずっと流れていましたが、結局のところ、現在では最高値を更新し続けています。
米国株式のおすすめ商品
このような「最強」の米国株式に投資ができる、おすすめの商品は下記の2つです。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
eMAXIS Slim S&P500とは
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、米国の代表的な株価指数である「S&P500(エスアンドピー・ファイブハンドレッド)指数」という、米国の優良500銘柄を対象にした、時価総額加重平均型の株価指数に連動するインデックスファンドです。
指数とは=株価市場のものさし(日本だったら「日経平均株価」「TOPIX」などが有名
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、コストも安く、米国の超優良企業500社に気軽に分散投資ができるため、とても人気となっています。
500社といっても、米国の時価総額の約80%を占めるとても大きな規模となっています。
S&P500は、常に最良な銘柄構成になるよう、500社に厳選して定期的な入れ替えをしています。
そうすることによって、強い企業はそのまま生き残りますが、弱い企業は、勢いのある企業と入れ替えられることになります。
つまり投資家は、「常に最高のメンバーに投資をし続けることが出来る」ということです。
そしてこの「eMAXIS Slim」という商品シリーズは、「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」という売り文句の投資商品というだけあって、運用コストが非常に安いことが大きなメリットとなっています。(米国株以外にも、全世界株、先進国株、新興国株などがシリーズ化されています)
実際に、同じ指標の安い商品が新発売されるたびに、それに追随して、コストの引き下げを行っています。
楽天・全米株式インデックス・ファンドとは
「楽天・全米株式インデックス・ファンド」は、「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」という、米国株式市場の大型株から小型株までを網羅し、投資可能銘柄のほぼ100%をカバーした、時価総額加重平均型の株価指数に連動するインデックスファンドです。
米国の約3500銘柄をカバーし、これ1本でほとんどの米国株式に分散投資ができるため、大変人気のある商品です。
S&P500は暴落時に数十社が入れ替わります。暴落によって脱落してしまった企業が、その後に再び成長して株価を上げた場合、「eMAXIS Slim S&P500」ではその恩恵を享受できませんが、米国のほぼ全てをカバーしている「楽天・全米株式インデックス・ファンド」であれば取りこぼすことはありません。
「eMAXIS Slim S&P500」と比べるとコストは高いですが、この程度の差であればそれほど気にする必要はないかと思います。
結局どっちがいいの?
どっちでもいいです!(笑)
- コストでは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
- 暴落後の恩恵は「楽天・全米株式インデックス・ファンド」
となりますが、それぞれのメリット・デメリットが打ち消し合い、30年ほど過去を比較してみるとリターンの差はほとんどありません。
私は2つとも買っています(笑)
直近の10年間だけで言えば、大型ハイテク株の成長が著しかったため、大型株の割合が多い「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の方が好成績となっています。
特にGAFAMの成長が著しく、この5社だけで米国株式の価格の大半を押し上げています。
切り取る時代によって、どちらが良いのかは変わります。(誤差の範囲ですが)
ここまでの情報をまとめると下記のようになります。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | |
---|---|---|
コスト(信託報酬) | 0.0968% | 0.162% |
銘柄数 | 500銘柄(大型) | 約3,500銘柄(大型・小型) |
指数 | S&P500 | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
暴落後の取りこぼし | あり(少しもったいない場合もある) | なし |
考え方 | 「少しでもコストを安く抑えたい」と思う人 | 「小型株にも期待したい」と思う人 |
構成銘柄の例
こちらは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の構成銘柄上位10社になります。(2020年7月現在:構成銘柄は定期的に変動します)
誰もが聞いたことのあるMicrosoft、Apple、Amazon、Facebook、Google(Alphabet INC)などが上位を占めています。
例えば、この商品に1,000円投資をしたら、そのうちの47円はAppleの株を買ったことになります。
米国株式に分散投資をしていますが、会社の規模によって比率が変わるので、現在(2020年7月)はIT系のイケてる企業に偏っていますね。
まとめ
- 世界の株式市場の50%以上が集中している
- 先進国には珍しい人口増加国
- 世界最大の消費国
- 株を重視する国民性
- 政治的な不安が少ない
- イノベーションが生まれやすい
これらすべてを満たしている国は米国以外にはありません。
このような様々な魅力を抱えているからこそ、米国の株式市場は長期的に右肩上がりをし続けているのだと思います。
投資の神様とも言われるウォーレンバフェット氏の「私が死んだら資産の90%をS&P500インデックスで投資をしなさい!」というメッセージも有名で、米国株に対する信頼が大きいことがわかります。
積立投資であれば、買うタイミングを見計らう必要はありませんので、はじめるなら今すぐ始めましょう!
米国は投資先として間違いなくおすすめですので、商品選びの参考にしてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!